将来の相続を見据えて、自分の遺産の行方などを指定する「遺言書」には、作成後自ら保管しておくものと公証役場にて保管されるものがあります。
自ら保管していた遺言書を紛失してしまうと、遺言書がない状態と同じく扱われるため相続に影響する点に注意が必要です。
今回は、自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言の概要と、それぞれを紛失した場合の相続への影響・対処法を解説します。
「自筆証書遺言」を紛失した場合の対処法
「自筆証書遺言」とは、遺言の全文と日付、氏名を自筆して印鑑を押すだけで作成できる遺言書です。
自筆証書遺言を紛失した場合は、遺言書を書いていない状態に戻ると考えて再度作成しましょう。
ただし、遺言書の再作成には、新しいものに書かれていない部分は古いものの効力が残る、相続開始後に古いものだけが見つかってしまうなどのリスクがあります。
自筆証書遺言の紛失や他者による偽造・変造の不安がある場合は、自分で保管するのではなく「自筆証書遺言書保管制度」の利用も検討してみてください。
▼この記事も読まれています
空き家をシェアハウスとして活用できる?メリットとデメリットについて
「公正証書遺言」を紛失した場合の対処法
「公正証書遺言」とは、公証役場にて、遺言者本人が口頭で述べた内容を聞いた公証人が作成する遺言書です。
遺言書を3本作成し、原本はそのまま公証役場で保管されるため、手元にある正本・謄本を紛失しても遺言の効力は継続します。
不注意による紛失の場合、原本と同じ効力を持つ写し(コピー)である正本の再発行は基本的に認められません。
効力を持たない単なる写しである謄本は、公証役場で再発行できます。
▼この記事も読まれています
住宅ローンのボーナス払いとは?仕組みとメリットを解説
「秘密証書遺言」を紛失した場合の対処法
「秘密証書遺言」とは、公証役場にて、第三者に内容を知られないよう自ら作成する遺言書です。
公証役場は、その場で確かに本人が作成した遺言書であることを認証しますが、原本は自ら保管することになります。
秘密証書遺言を紛失した場合は、自筆証書遺言と同様に再度の作成が必要です。
秘密証書遺言は作成するメリットが薄く、実際に利用者もほとんどいないため、あえて公証役場を訪れるなら公正証書遺言を作成すると良いでしょう。
▼この記事も読まれています
賃貸物件のクッションフロアとは?原状回復時の注意点なども解説
まとめ
自筆証書遺言を紛失した場合は、遺言書を作成していないのと同じ状態になると考えて再作成しましょう。
公正証書遺言は、原本が公証役場に保管されており、正本・謄本を紛失しても相続には影響がありません。
秘密証書遺言は原本を自分で保管するため、紛失時の対処法は自筆証書遺言と同様です。
兵庫・鳥取・島根の不動産のことならセンチュリー21 リアルトラストへ。
賃貸物件の管理業務や土地活用のご提案なども承っておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。